パケット複製機能
パケット複製機能とは、異なるISPに張られた複数のインターネットVPNに対して、パケットを複製して送信し、受信側では、最初に到着したパケットを有効にする機能です。
※ パケット複製機能は独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が開発した技術(特願平11−57007)です。
図1 パケット複製イメージ
この機能を働かせることで、次の効果が得られます。
パケット損失率・遅延時間の最小化
図2のようにW-VPNにより複製されたパケットを異なるISPに送信し、早く届いたパケットを採用するため、パケット損失率および遅延時間を最小化できます。
図2 パケット損失率・遅延時間の最小化
無瞬断の回線障害対応
一般に回線障害が起こった場合、予備回線への切替等のため数10秒から数分程度の回線断が発生しますが、パケット複製機能を働かせている場合は常時、複製パケットを冗長回線に送信しているため、回線障害に伴う回線断は発生せず、セッションも確保されます。そのためIP電話等リアルタイム通信を行っていても通信が途切れることはありません。
図3 無瞬断の回線障害対応
QoS機能
QoS制御機能とはネットワークを利用する多様なアプリケーションに対して、それぞれに適した帯域幅の指定やプライオリティの制御を行うことにより、ネットワークを効率よく活用するための機能です。
リアルタイムパケット品質の確保
パケットが輻輳し、回線帯域を越えるパケットがルータ等のネットワーク装置に流れた場合、回線帯域を超えたパケットは捨てられます。この場合、一般に、Webアクセス等のデータ通信パケットはTCPプロトコルの再送制御が働き、アクセスが途絶えることがありません。
ところが音声パケット等のリアルタイム性を要求される通信の場合、パケット損失が即、音質等の悪化につながります。この問題は、QoS制御機能を使って音声パケット等のリアルタイムパケットのための帯域を確保しておくことで解決します。
図4 リアルタイムパケット品質の確保
リダンダント機能(冗長化機能)
冗長化機能とは、alpha W-VPN 1000を2台用意し、1台が故障した際にあらかじめ用意しておいたもう1台のalpha W-VPN 1000へ切り換えて、動作を引き継ぐ機能です。
これにより、装置の故障による切断時間を最小化(最大60秒)することが可能となります。
図5 リダンダント機能(冗長化機能)
インターネット回線品質の実態
近年のインターネット回線の品質向上は著しく、ベストエフォート型サービスとはいえ、想像以上に高品質です。下表は、当社にてインターネット回線と商用回線の品質を1週間連続で測定したときの品質データです。
alpla W-VPN 1000はパケット複製技術を使うことで、商用回線を上回る回線品質を達成しています。高品質なインターネットVPN環境が構築されることで、Webアプリケーション、IP電話やテレビ会議など、IPによる企業コミュニケーションを円滑におこなうことができます。
| 比較項目 | W-VPN | 商用IP-VPN |
|---|---|---|
| パケット損失率 | 0%@ | 0.01%以下A |
| 伝送遅延時間 | 6〜15msB | 約20msC |
- A社B社の2回線を組み合わせた当社実測値
- 通信事業者のSLAでの保証値
- 当社実測値(支社毎に6〜15msの差あり、全支社での最悪値は60ms)
- 当社実測値(SLAでの保証は月平均35ms以下)
| A社 | B社 | |
|---|---|---|
| スループット比較@ | 72.9Mbps | 99.7Mbps |
- 各ISPの100Mbps光サービスにて測定
W−VPN回線の品質
W−VPN回線のパケット損失率
以下のグラフは、ISP A社、B社それぞれに張られたインターネットVPN上のパケット損失状況を表したものです。パケット損失は、双方の回線でランダムに発生していますが、双方の回線で同時に発生する確率は極めて小さいといえます。
例えば、前述のパケット損失率の0.03%と比較的高いA社の回線を組み合わせた場合でもパケット損失率は 0.000009%と極めて小さい値となります。従って、複数のインターネットVPNをW−VPN回線として使用することにより、パケット損失率の極めて小さい回線が得られます。
W−VPN回線の伝送遅延時間
パケットの伝送遅延時間は、2本のインターネット回線の中で小さい方の時間になります。つまり、W−VPN回線においては、前述の伝送遅延時間の実測値(6〜15ms)が安定的に維持されます。
