テレワークの実施内容(2/2)

7.テレワークを実施するうえで創意工夫した点について

創意工夫した点

(1)セキュリティ機能

当社のテレワークシステムは、独自の正規システム認証(特許出願中:2007-000645)を含む様々なセキュリティ対策を施しており、テレワークを安全に実施できる点が特長です。

シーケンス図

  • 情報流出防止
    クライアントソフトウェアは書き換え不可のCDに収録、CDから起動するタイプです。クライアントの機能として、HDDやUSBメモリなどの外部デバイスへの保存を制限しているため情報漏えいが防止できます。また、社内情報はクライアントPCのメモリ上に展開するので、システムの利用後に社内情報がクライアントPCに残りません。
  • ウイルス対策
    インターネットカフェなどウイルスに冒されている可能性のある公共端末を利用した場合でも、クライアントPCの内蔵HDDは利用しないため、社内PCがウイルスに感染することはありません。
  • 不正アクセス防止
    「正規システム認証」により、改ざんされたCDからの不正アクセスを防止します。
  • なりすまし防止
    ユーザID、パスワードの確認に加え、携帯電話を用いたユーザ認証により、なりすましを防止します。
(2)コミュニケーション機能

テレワーク先から内線電話の発着信が可能です。また、追加機能としてテレビ会議システムの試行運用をおこなっています。

テレワーク制度導入に向けたハードル

研究開発を目的とした試行運用から、全社的な正式運用に移行するに際して、社外利用における情報漏洩リスクに対してどうしても慎重にならざるを得ない部分がありました。このため、先ずは部長以上に限定して試行運用を行い、その結果、運用に問題ないことが確認できたので、利用ガイドラインを整備して現在の適用範囲まで利用者を拡大しました。

8.テレワークを導入したことによる効果について

緊急時に柔軟に対応できる、これまで社内でなければ実施できなかった作業を外出先や常駐先でおこなえる、新たな利益時間の創出のできるシステムとして社内で認知され、サービス開始時より、倍以上の社員が利用しております。

7月の利用状況はアクセス回数が合計278回であり、事業所への平均移動時間(往復)を1時間とすると、月に278時間(概算)の移動時間を生産的な作業に割り当てたことになります。

利用状況

利用状況を確認すると平日休日問わずアクセスが続いており、社内システムとして安定した運用ができているといえます。(当社ゲートウェイサーバ接続ログ状況より)

社内の利用者に接続用途をヒアリングした結果、社内でしか利用できなかったシステム(発注状況の確認、採算管理、勤務報告など)の利用、並びに定期報告資料の作成などが高いセキュリティレベルを保ったまま利用できるというコメントがありました。また、テレワークが効果を発揮したケースとして以下の事例を確認しています。

  • 顧客からの急な見積依頼に対し、見積書を作成、社内確認をおこなうことが容易にでき顧客の指定した期限内に見積を提出できた
  • 休暇中の部下と電話連絡をおこないながら資料の確認をおこなうことができた
  • 深夜時間帯に部下の深夜タクシーの利用申請を自宅からおこなうことができた

利用者の中には、テレワーク制度が日常業務にとけ込んでいるため、本システムがなければ業務に支障をきたしてしまうというコメントもありました。

9.今後の予定

テレワーク制度の導入後、モバイルに対応して欲しい、という利用者の要望に応えて、社内システムでは公衆無線LANサービス、携帯電話各社のデータ通信カードの利用を開始しており、今後利用可能な製品・サービスを順次拡大する予定です。

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※本記事は2007年8月に第8回テレワーク推進賞に応募した内容です。